新国立競技場の疑問
今日は施術とは直接関係ないことを書きます。
本日新国立競技場の案が決定するらしいですね。
Ulyssesを運営しながら、建設会社を経営している私がいうのも何ですが…
この新国立競技場の計画って、おかしいと思います。
なぜなら、設計案で金額(工事予算)が発表されていますが
これからゼネコンが指定された図面を入手し、積算という計算作業に入り
その上で見積書が作成されて、その金額を元に入札という手法により
施工会社は決定されます。
しかも行政の予算をオーバーした時点で入札不良となり、日程を指定して、再入札となります。
また、入札金額が予算を大幅に下回っていても、同様となります。
ということは、そもそもこの設計予算は公正な入札をするために、
発表されてはいけないのではないのでしょうか?
また価格には「設計価格」「施工価格」「NET価格」など色んな表現があり
設計価格が10,000円とすれば、ゼネコンはそれより安い金額で見積もりし
末端の施工会社では4,000円を切るのは建設業界の常識です。
そういう意味でも、この新国立競技場は疑問が多く
なにも決まっていないのに、国と都の負担金額が決められていたり
本当に、謎だらけというか…これに疑問を感じないということが、不自然だと思います。
マスコミは、わかっているはずなのに報道しないのでしょうか?
そもそもなんで3,000億円もしたものが、1,500億円で作れるのでしょうか?
内部なんてそうそう違わないはず。問題は「外壁」と「屋根」でしょ?
木製にしたから安い??そんなことはないですよ。
耐久性や経年劣化などの維持費の検討はしているのでしょうか?
なんか、鋼製のモダンな屋根が価格上昇を呼んでしまったということにしたので
こんどは木製を全面に出して、「だから安くなった」みたいにしておけば
1,500億円に収まった説明がつくという安易な発想で行われてはいないだろうか?
設計で2案とも木製だったり、コンセプトが一語一句変わらなかったり
そんな偶然ってあるのでしょうか??
建築の末端で携わらせて頂いている身として、こんな無茶苦茶でデタラメな方法で
いいのかと疑問を抱いております。
それならいっその事、選定委員会の委員長をしていた安藤先生にお願いして
ゼネコンも(どうせ裏で繋がっているんだから)指定業者として
堂々と「特殊建築なので一般入札ではありません」ってやればいいのに。。。
日本ってなんともおかしい国だな