まずは
このたびのバス事故で、
尊い命を奪われた故人に対して、
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

また
ご遺族やご友人をはじめ
関係者の皆様におかれましては
深い心の悲しみが
少しでも早く和らぎ
故人の冥福を祈りながら、
故人の遺志を継ぎ
故人の分まで強く生き抜く力が
天より授かることを
心よりお祈り申し上げます。

このたびのバス事故でさまざまな調査や検証がこれから始まりますが

いまマスコミで騒がれている

「最低賃金以下の受注をしたバス会社の責任」

という報道に、私は大きな疑問を抱きます。

そもそも、最低賃金という設定は

安すぎる賃金で会社を運営すると

整備不良であったり

労働者への過剰な負担による事故を

避ける目的があるからに、ほかなりません。

しかし、今回はその最低賃金を下回り

安く受注した会社が引き起こした事故であると報道しておりますが

果たしてそうなのでしょうか？

どうして事故が起きたかということは

今後の調査や検証を待つとして

私が思うのは「なぜ受注者責任なのか？」という点です。

たとえば

労働者賃金が最低賃金以下で雇われた場合

誰が罰せられるのでしょうか？

決して、労働者ではないはず。

なにの、会社同士の契約になると

発注者ではなく受注者に責任が生じるのでしょうか？

私は、発注者責任だと思うのです。

過去の姉歯問題もそうでした。

発注者や検査機関や行政にはなんの責任もなく

まるで姉歯氏一人がやった犯罪のようにマスコミは騒ぐ。

姉歯氏は「安く作る建築物を設計するように」と指示され

それを彼なりの方法で答えを出し

それを数か所の検査機関や行政が「精査」したのちに許可をだし

工事着工している流れにおいて

その全責任は姉歯氏にあるかのような内容でした。

さらには、建て替えが決まった「杭打ち問題」もそうですが

これも受注者の責任が問われていますが

発注者責任や施工管理責任という観点において

マスコミはあまり取り上げません。

建設会社の社長でもある私にとって

バスの運行に最低賃金があるように

建築にも最低賃金を決めてほしいですね。

つまり、問題の解決を考えていくとき

問題の根源に対して対策を講じれば

その問題の発生確率は低減できるはずですが

マスコミの言うレベルの内容ですと

そういった方向にはいかない

非常に表面的な稚拙なコメントばかりが目立ってしまい

結局、核心には触れない優等生的なコメントで終わる。

ちょっと無理やりっぽく聞こえるけど

痩身を目指す女性にとっても同じことなんです。

自分が太った原因は

脂肪が悪いわけでも

女性ホルモンが悪いわけでもありません。

結局は、それを（発注）命令させた「脳」が悪いのです。

問題が発生したとき

都合よく犯人探しして原因を見つけたつもりとなり

そこを規制して改善したつもりにすると心が楽です。

でもそれでは何にも解決しません。

バス事故の報道を見ておかしいと思ってください。

そういう脳がないと、自分を見つめて判断するとき

主観やメリットで自分の道を選びすぎる傾向があります。

いかなる時でも脳を使う

これって大事な事なんです。

Ｕｌｙｓｓｅｓ院長 林