熊本大地震でマンションが!!ということで考える事
熊本をはじめ、九州におられた方
この度の甚大な被害に合われ亡くなられた方、ご親族・ご友人・関係者の皆様に対し
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
また、今でも激しい余震が続き、ご不便極まりない状況かと存じますが
関係者の皆様に対し、心よりお見舞い申し上げます。
この大地震で、家屋が倒壊し、マンションが破損したなどという報告がありますが
みなさんに知ってもらいたいことがあります。
実は「震度」や「マグニチュード」だけで地震の大きさは測れないということです。
「震度」は文字通り揺れの大きさです。
「マグニチュード」は地震のエネルギーの大きさです(常用対数なのでM6とM7で10倍の差がある)。
ですが、その他に「ガル」や「カイン」などという表現があり、これらで地震の大きさや被害を見ることが多いのです。
「ガル」とは加速度のことで、地球の重力加速度は980ガル、ちなみに阪神大震災は約900ガル、東日本大震災では約2700ガル位だったと記憶しています。
「カイン」とは速度のことで、阪神大震災も東日本大震災も約100カインでした。
現在のところ、熊本地震では約1600ガル、約100カインということですから、実は阪神大震災よりも規模が大きいという事がわかります。
そうおもうと、単に震度が…ではなく、かなり大きな被害が出る地震であることをご理解いただけましたら幸いです。
それを踏まえて、建築の専門家(林院長は林技研という建設会社の社長でもあります)としての観点から、マンションの構造や強度による見解をお伝えいたしますと。。。
もともと高層ビルなどは300ガル程度では無傷、800ガルの加速度には耐えうる構造にはなっているものの、それ以上の場合は保証できないと言われています。実際は多少の「安全率」を考慮しているものの、やはり今回の地震規模では安全とは言いがたいのです。
それがマンションとなると、ビルよりも構造的に地震には弱いことになります。なぜなら、通常14階建て以下のマンションは構造が柔軟でない場合が多く、揺れに対して(方向にもよりますが)相当の影響を受けます。高層マンションは高層ビルに近いとお考え下さい。
そのような建築物は2つの建築物が近い状態もあり、もしくは接している状態ですと、お互いがぶつかり合い破損する恐れがあります。
そして破損したものは落下します。タイルだけでなくコンクリート片も一緒に落ちてきます。ですので絶対に半径50m以内には近づかないこと!!
テレビで、そのような現場を拝見しました。本音を言うと、やっぱりマンションってコンクリート型枠大工の腕次第なんだけど、製作精度悪いよなぁって感じるんです。落ちたタイルの破片を見ると、タイルだけが落ちているのではなく、タイルとその下地やコンクリートまで一緒に落ちています(ちと専門的すぎるかな)。
もともとコンクリート型枠の精度が高いと、タイル下地は薄くて済むのですが、まぁ厚いこと!
コンクリートだけの状態の建物の時の精度が悪いと、こういった最終的にフラットに仕上げる際の下地用専用モルタルが厚くなってしまい、将来的に様々な不具合を引き起こす要因となります。
今回のマンションの映像みて、ふと考えたことを書いたので、オチがなくてゴメンナサイ。
でも都内でもいっぱいあるんです。見えていないけど、建築物調査報告書がいくら立派で修繕工事もいくらやっても、全くダメな物件が山盛りあります。
どうやって作ったのか?なぜこのような不具合が起きたのか?このような因果関係がすぐ理解できるようになるには、実際にマンションを新築時に建て、改修工事も行うという専門家としての経験が無くてはいけません。理屈や教科書作っている人にはわからんのですよ。現状が。
私は日雇い職人時代から現場に毎日行きマンションを建ててきました。そして、建築技術を学び仙台で営業所長兼ゼネコンの改修工事事務所に出向などして5年間、その後新技術体型を確立して自社で改修工事の展開をし、マンションの調査・改修工事をする事業部を任され、31歳で取締役になりました。そして39歳で会社を去り、この会社を立ち上げました。
新築も改修も知っているプロはそんなにたくさんはいないと思います。
今回の熊本地震などをみて、うちのマンションは大丈夫?と思った方
是非一度私にご相談下さい。
ビルでキングドクター資格や建築成功管理技士などの資格のある私が、現地でしっかり見抜きます!!
なんてblog、新しく作ってみるかなぁ。。。